RSウイルスワクチンが承認された、と聞いた時、てっきり小児対象のものかと思いましたが、実は60歳以上の高齢者対象のワクチンでした。RSウイルスは小児の喘息性気管支炎の原因として有名ですが、もちろん成人も罹患します。成人が罹患した場合は「いつものカゼより咳がひどいな」程度で済むことが多いですが、基礎疾患(心臓疾患、呼吸器疾患など)を有する高齢者では死亡の原因となることがあります。アメリカでは年間6.000人から10.000人が命を落としているという報告です。日本では年間63.000人の入院と、4.500人の院内死亡が推定されています。このRSウイルスに対するワクチン「アレックスビー」が1月15日から日本で接種できるようになりました。金額は24.000円(税込み26.400円)です。1回接種で2-3年の有効期間です。

『保育園通園中のお孫さんがRSに罹患し登園できなくなったので、仕事をしているママに代わってお孫さんを預かった祖父母にRSがうつり(RSの検査は1歳未満のお子さんにのみ保険適応があるので、祖父母の方を検査して確定診断をしたわけではありませんが)、かなり咳が重症化する』という経験がちょくちょくあります。そういう方の多くは基礎疾患に気管支喘息を有している方々でした。

高価なワクチンとなりますが、是非、ご一考ください。

副反応は、注射部位の痛み・発熱などで、帯状疱疹ワクチン(筋肉注射タイプ=シングリックス)と似ています。

GSK、60歳以上を対象としたRSウイルスワクチン「アレックスビー筋注用」の製造販売承認を取得 | GSK グラクソ・スミスクライン

医療法人社団マグノリア